プロジェクトマネジメントで大事だと思うこと(チラシの裏)

先日、プロジェクトマネジメントの勘所を聞かれた。 自分にはそんなに大層なことを語る知識も経験もないけど、問われたからには何かしら答えるべきかと思い、 拙いながらも普段自分が考えていることなどを話した。
その際に思いつくままに話してしまったせいで、話せなかったことがあることに気づいた。 チラシの裏にでも補足を書こうかと思ったけど、チラシが無かったのでブログに書こう。

戦略と戦術

プロジェクトを遂行するには、戦略と戦術があったほうがいいと思う。 両者の違いは知ってるだろうし、知らなくてもググればすぐに見つかると思うので割愛する。
なぜ戦略と戦術が必要かというと、戦略というグランドデザインがあれば戦術がぶれにくくなるからである。 状況の変化が激しい開発現場においては、これは結構重要なことである。 他にも戦略と戦術の関係性や重要性についても、ググればたくさん見つかると思うので割愛する。
おそらくシステム開発などに関わらず、一般的な話として書かれている記事が見つかるだろうが、十分にシステム開発にも通じることだと思うので読んでみて欲しい。

考えるべきことと考えなくていいこと

今まで関わってきたエンジニアには、常に考えていないと死ぬ病気なのかと思うほど、やたらと考えこむ人が多い気がする。 考えることは大事だと思うけど、万事がその調子では駄目だと思う。本当にそれは考えないといけないことなのか、まずパッと直感で判断することを薦めたい。
考えなくてもいいこととは、それがもたらす影響が小さいものや他の要因で変化しやすいものなどである。加えて考えても仕方ないものもある。 それを判断した上で、これは考えるべきことだと思えば、じっくり考えればいい。
言うのは簡単だが、そういう人にとっては直感で判断ということも難しいかと思うが。。。
どうでもいいことはなるべく考えないようにして、その分他のことをもっと深く考えたり、おざなりになってることに意識を向けたり、リソースを有効活用するべきだと思ってる。

特に小さいプロジェクトの場合は開発とマネジメントを兼務することもしばしばあり、そんな状況で一つのことに時間を取られたら、他の考えないといけないことがオーバーフローしてしまう。そしてオーバーフローしてしまったのは十分に考えるまもなく決断を迫られるため、それだけは避けるべきである。

現在価値と将来価値

会計には割引現在価値(逆が将来価値)という考えがある。例えば何らかの機械を買う場合、5年後にその機械を除却する際に費用が1万円かかることが明らかとする。この場合、購入時に将来の除去費用も負債として計上することになるが、ここで出てくるのが「5年後の1万円の現在の価値はいくらか」という割引現在価値である。
つまり、現在の1万円≠5年後の1万円、ということである。(一応補足すると、為替レート云々の話ではない) これは、その金額を貯金するなり投資するなり資産運用により利息などを得ることが可能だからである。 会計になじみがなくても、行動経済学をかじったことがあれば、現在価値と将来価値については縁があることだろう。

前置きが長くなってしまったが、この現在価値と将来価値が、プロジェクトにどう関わってくるかというと、主に優先度の判断をする際に用いる。 例えば、リファクタリングしたい箇所があったとする。今リファクタリングするコストは1である。しかし放置すれば色々な箇所から使用され複雑になりコストは1.5になる。ここで今リファクタリング(1)以上の価値があるものがあれば、それを優先すればいいし、なれけばリファクタリングすればいい。あるいは将来のコスト1.5が許容できなければ今する。
逆の例では、最終的には各機能で監査ログを出さなければいけないことが最初から分かっているとする。各機能の実装が終わってから最後のまとめて監査ログを仕込むとすればコストは1である。しかし、前もって各機能実装時に監査ログを仕込めばコストは0.5である。

後でやるよりは今やった方がいいかなと思うことがあるだろうけど、その際になんとなくではなく、ちゃんとその価値を計算することが肝要。 実際には数値化することは難しいけど、5段階くらいに分類して考えるだけでも随分違うはず。
ちなみに、大体の場合において計算は単利じゃなく複利である。初期のちょっとした投資が後々絶大な効果を発揮したり、放置してた小さな傷が致命傷になったりってこと。

あまりいい例が思いつかず、分かりにくいと思うけど、ニュアンスは伝わったものと思う。(思いたい)

# 読み返して気づいたけど、上記の例では資産と負債が混じっていて一層わかりにくかったかと思う。。。まぁ大意は変わらないので修正しない。

名人に名手なし

麻雀に「名人に名手なし」という格言がある。(もしかすると元は麻雀ではないかもしれない) 名人とは常にその時々の最善手をとり続けるものだという意味である。それは奇をてらうわけでもなく、華もなく、ややもすれば周りで見てる人には凡手のように見えることがある。
しかし、どんな状況にあっても冷静に最善な判断を積み重ねること、またはそれらの組み合わせにより名人を名人たらしめている。

何が言いたいかというと、これを読んでる人はおそらくマネジメントの手法や方法論などある程度の知識などを持っていると思う。 あとは、常に冷静にそれらの武器を使うか(使えるか)どうかだけだと思う。銀の弾丸はないけれど、にんにくや十字架はある。それらをうまく組み合わせて使うことで退治できるのではないだろうか。

あまりプロジェクトマネジメントに関わらない内容になってしまった。